口腔扁平上皮癌の浸潤様式に対する三次元的解析

概要

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口腔扁平上皮癌において浸潤様式が治療成績に関連することは,これまでにも多数報告されているが,すべての症例で浸潤様式と治療成績が相関するとは限らず検討課題の一つとなっている.そこで,口腔扁平上皮癌23例を対象に,その連続標本の三次元画像をコンピュータグラフィクスにより再構築し,腫瘍の浸潤様式を検討するとともに,治療成績との関係ならびに従来より用いられている二次元解析法の山本・小浜分類(以下Y・K分類)との関係について比較検討した.三次元的解析による浸潤様式を形態的特徴から,連続型と非連続型の二つに大別し,さらに連続型は圧迫型と索状型の二つに分類した.腫瘍制御,非制御別では,非連続型は連続型に比較し有意に不良で,また,それらとY・K分類との関係では,比較的予後が良好とされるY・K分類2型でも非連続型の場合には制御不良であったのに対し,予後が不良とされる4C,4D型では連続型の場合には制御良好であった.三次元解析法では腫瘍の浸潤様式を立体的に再現できること,連続型と非連続型の2つに大別されるため判定が容易であること,さらに治療成績と有意に関連することなどから臨床において有用な方法と思われた.
獨協医科大学の論文
2006-03-25