若年健常成人における反復唾液嚥下正常値の検討
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概要
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嚥下反射を惹起する能力の指標とされる反復唾液嚥下は,嚥下機能評価の重要な指標であるが,その正常値については十分な情報がない。今回,大学生29名を対象に1週間間隔で3回の測定を行ない,若年健常成人の正常値を検討した。その結果,嚥下回数は正規分布しており,30秒間では平均9.6±3.2回(範囲4〜18回),60秒間では平均17.4±5.7回(範囲9〜34回)だった。全体的には嚥下はほぼ等間隔の時間で規則的に起こっており,嚥下回数と計測開始からの経過時間は比例していた。しかし,より詳細に分析すると,最初の10秒間ではそれ以降と比べて嚥下回数が有意に多かった。また,1週間おきに行なった3回の測定結果を比較すると,1回目の測定での嚥下回数は他の2回より有意に少なく,被検者の能力が十分に発揮されるには複数回の測定が必要なことがわかった。これらのデータは,反復唾液嚥下を嚥下機能改善の指標などとして用いる際に有用だと考えられる。
著者
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