湧水の水質特性と地質(岩種)の関係
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概要
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特異性を有するとされる埼玉県日本水・風布川の水質を分析し,その地域の地質との関係を調査した.また,前稿で報告した隣接する群馬県赤城山麓の湧水との比較を行い,水質と地質との関連性について検討を行った.日本水は,マグネシウムイオン(Mg^<2+>)を大量に含み,その量は陽イオンの約70%(17.0mg/1)を占めていた.Mg^<2+>イオン濃度は約5倍に達していた.赤城山麓湧水と比較してみると,水質のタイプはMg-HCO_3型で,通常見られる赤城山麓湧水の水質タイプCa-HCO_3型とは異なる水質であった.さらに,SiO_2濃度は少し低めで,電気伝導度は370μs/cmで高めであった.また,pHは8.4と高く弱アルカリ性を示した.これらの結果は,外秩父山地の釜伏山周辺の地質が結晶片岩や御荷鉾緑色岩類からなり,Mgを多く含有する蛇紋岩の割れ目から湧出することが大きく影響しているものと考えられる.これに加え,日本水の湧出する地質がSiO_2をあまり含まない変成岩類で化学組成に富む超塩基性岩であることに起因することも考えられる.また,陰イオンのうち,硫酸イオン(SO_4^<2->)濃度が風布川流域で特に高い傾向が見られ,東部都市部からの影響が懸念される.
- 2005-12-06
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