住吉廣定筆「鞠精三神並成通像」についての考察
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概要
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「鞠精三神並成通像」は、院政期の蹴鞠の名人藤原成通(一〇九七〜一一五九年頃)と鞠の精三神がモチーフとなっている。同画題の現存例は少なく、近世の作品が数点確認されるのみである。本論は、その中の住吉廣定(一七九三〜一八六三)筆「鞠精三神並成通像」(松浦史料博物館蔵)について考察を加えたものである。その結果、以下の三点を確認した。一点目は、本作品は『成通卿口伝日記』の一節を絵画化したものであるが、同派や分派の板谷派に先行図様が存在するため、これらの図様をもとに制作された可能性が高いという点である。二点目は、これまで注目される機会の少なかった住吉廣定の作風や卓越した表現力を確認できた点である。本作品は伝統的なやまと絵の技法に則りながらも、自然な表情やポーズによって登場人物の感情を巧みに表現している。三点目は、松浦家と当時の文化人との交流である。本作品上部に記された詞書は、国学者橘守部(一七八一〜一八四九)が手掛けている。制作依頼者の記録はないが、その文事活動や人脈より松浦熈(一七九一〜一八六七)と考えられ、両者の交流が確認できる。
- 鹿児島大学の論文
- 2006-02-28
鹿児島大学 | 論文
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