鹿児島縣笠野原台地の黒色火山灰土壤の腐植について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
笠野原台地の黒色火山灰土壤の腐植について化学的研究を行い, 次の結果を得た.1)黒土の上層の"黒ボコ"から下層の"黒ニガ"へと土壤の深さを増すに従い, 次の傾向がある.a)Simon氏法による沈澱部割合(P.Q.)が高くなる.b)Waksman氏の土壤有機物簡易分析法実施の場合に不溶性の窒素の含量が増加する.c)McLean氏の3%H_2O_2法によれば, 腐植化度が上昇する.d)CH_3COBr処理法によれば, 腐植分解度(Z.G.)が大となる.これ等により下層の"黒ニガ"の有機物はその分解程度が表層の"黒ボコ"のそれより高くなつていると考えられる.2)供試黒土の腐植についての分析結果によれば一般的に, Simon氏法によるP.Q.は60-68,H.Q.は63-75,Spinger氏のZ.G.は60-70程度なる故, 土壤の全有機物の約30%は未分解乃至分解不充分なHumolignin酸迄のものであり, 眞正腐植酸に相当する部分はWaksman氏の所謂α-fractionの炭素率が平均34.2なる高い値を示す点から推定すれば, 極めて高い炭素率を有するものと考えられる.
- 鹿児島大学の論文
- 1952-11-30
著者
関連論文
- 南九州の黒ボク土に多量施用された生牛糞の肥効と残効 : 土壌の理化学性の変化(その1)
- 南九州の黒ボク土に多量施用された生牛糞の残効について : 陸稲の地上部および根の生育様相の変化
- 桜島火山灰土の腐植集積過程に関する研究
- 黒色火山灰土壌の腐植の2,3の性質について(続報)
- 黒色火山灰土壤の腐植の2,3の性質について
- 鹿児島県笠野原台地の黒色火山灰土壌の腐植について(続報)
- 鹿児島縣笠野原台地の黒色火山灰土壤の腐植について
- 薩摩半島南部に分布する"コラ層"に関する研究(第2報) : 遊離珪酸, 礬土, 鉄及び色素率について