1.土のクリープ変形について
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概要
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土のクリープ変形に影響する要因を分析するために物理的, 構造的性質の異なる土のさまざまの応力条件下でのクリープ試験を行った。クリープ試験は一面セン断排水クリープ試験と三軸セン断非排水クリープ試験による。また試験結果にもとづいて土のクリープ変形に影響する要因について考察した。その結果を要約すると以下の通りである。1)土の物理的性質, 構造および応力履歴の違いによるセン断変位, 軸ヒズミ-時間関係のパターンからクリープ変形は次の5つのタイプに分類される。(i)セン断変位, 軸ヒズミが時間に対してクリープ応力に無関係で直線的に増加するもの, (ii)低クリープ応力下で直線的に, 高クリープ応力下ではS字曲線的に変化するもの, (iii)(ii)と同様なパターンを示すが高クリープ応力ではS字曲線の変曲点の位置が小さい時間でおこるもの, (iv)セン断変位, 軸ヒズミが瞬時に生じ, いわゆるクリープ的ヒズミがほとんどあらわれないもの, (V)先行荷重, 残留状態に対するクリープ変形でセン断変位が時間に対して直線的に変化するもの。この場合ダイレイタンシーは生じない。2)土のクリープ変形に影響する要因は弾性, 遅延弾性, 時間依存性のないダイレイタンシー, 時間依存性をもったダイレイタンシー成分および粘性からなる。この5つの要因は応力条件, 土の性質, 構造によって異なり, これがさまざまのタイプのクリープ変形をおこす原因となる。3)クリープ中発生する間グキ水圧の対数時間に対する変化度(対数間ゲキ水圧速度)は1次クリープ領域ではクリープ応力の大きさとともに増加するが2次クリープ領域ではクリープ応力によらず一定となる。この結果セン断変位, 軸ヒズミ-時間関係は高クリープ応力下ではS字曲線型の非線形を示す。低クリープ応力下ではダイレイタンシーの影響が小さく, セン断変位-時間関係は線形を示す。2次クリープ領域におけるセン断変位, 軸ヒズミは遅延弾性, 時間依存性をもったダイレイタンシー, 粘性によって影響される。4)2次クリープ領域における対数垂直変位速度(ダイレイタンシー速度)は正規圧密, 過圧密比によって異なる。また2次クリープ領域におけるダイレイタンシー速度は拘束圧によらず一定である。5)先行荷重, 残留状態においてはダイレイタンシーは発生しない。この結果セン断変位-時間関係は線形を示す。6)2次クリープ領域における対数セン断変位速度のクリープ応力依存性は塑数指数とともに大きくなる。またその塑数指数に対する変化度は火山灰土とその他の土, 同じ土でも構造の違いによって異なり, 火山灰土, 団粒状の構造をもった土は小さい。
- 鹿児島大学の論文
- 1979-03-31
鹿児島大学 | 論文
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