7.シイタケ栽培培地に関する研究(I) : 培地の化学組成の変化について
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概要
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最近,全国的にシイタケ栽培に使用されている桐木用原木が不足している。本報ではタケ木粉培地とタブ木粉培地との化学成分の変化を比較検討した。結果は,大略次のとおりである。(1)培養に伴う培地pHの変化は培養の初期に低下するが,それ以降徐々に増加し大体3.5〜3.8となった。それぞれの培地の重量減少は培養の初期に急激に進行した。培養の進行に伴いリグニン含量は急速に減少したが,温水抽出物は増加した。(2)化学分析から,培養期間中,アルコール・ベンゼン抽出物中の低分子分解産物は多量に蓄積されている。培地中の化学成分は培養期間の2〜3ヵ月目で急激に変化するが,この時期はシイタケ菌が原基を形成し,子実体を発生させる時期と一致する。(3)米ぬか添加によって菌糸成長は促進され,培地の化学成分の変化も大きい。また,タケ栽培培地中の化学成分はタブ栽培培地と同程度で変化していることがわかった。以上の結果から,タケ木粉は米ぬか添加で培地として使用可能であると思われる。
- 鹿児島大学の論文
- 1992-03-30