<[資料]>1.高齢メアサスギ林の林分構造について
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概要
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最近長伐期林業への道が提唱され, 鹿児島県では地元スギ品種であるメアサスギの見直しが行われている。メアサスギは材質がすぐれ, 成長は晩成型で, 壮齢期以降の成長が永く持続する。そこで長伐期生産品種としての価値が極めて高い。したがってこうしたメアサスギ林の調査研究は現下の重要な課題であり, 今回現地調査によって,その林分構造を明らかにすることを試みた。蒲生町を中心に特色ある高齢林分9林分(林齢55年〜85年)を選び, 主としてその胸高直径の分布を基に林分構造の解析を行った。各林分の胸高直径, 樹高, 単木材積の平均値, 標準偏差, 変動係数を明らかにするとともに直径についてはその分布のヒストグラムを描き林分構造を調べた。それによると各林分には, 二段林型を示すもの, 本数が著しく減少しているもの, 超高齢木の混入するものなどがみられ, 高齢林の特色ある構造が明らかとなった。ところで直径分布については「同齢単純林における直径分布は, 幼齢あるいは若齢の間は一般に正規分布にしたがうが, 年齢が進むにつれ, 除伐や間伐の影響をうけて, しだいに左傾していき, シャリエA型分布からピアソンI型分布へと進む傾向がみられる。直径の分布範囲は比較的小さく, 変動係数は10〜30%である」といわれる。そこで正規分布に近い林分について分布の正規性の検定を行ったが, 高齢林分にあってもその直径分布の正規性を否定出来ぬものが見出された。これは除間伐等森林育成作業との関連で今後検討を要する課題を与えるものといえよう。5林分についてメアサスギ収穫表と比較しその立木度をみると, 0.8〜1.2の間にあるから, これら林分はほぼ正常に近い林分であるといえる。これら林分の直径の変動係数は10〜30%におさまることから, この点は従来の知見を裏づけるものといえる。
- 1990-03-26
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