2.木材のテーパーはりのたわみとせん断破壊強さについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
この研究では木材のテーパーはりにおける応力, たわみ, およびせん断破壊強さについて検討された。Fig.3の左右対称型両テーパーはりを対象にして, 全域が弾性の範囲にある応力の計算式は(9), (10), (11)式, またたわみの計算式は(20), (21), (22)式で示される。荷重が比例限界を超えると, 木材のはりでは圧縮側に塑性域が発生する。圧縮の応力一ひずみ線図に完全弾塑性型を仮定すると, 塑性域発生後の応力分布はFig.4のようになり, 応力は(30), (37), (39)式で計算される。スパン中央, 荷重点の曲げたわみは(43)〜(48)式, せん断付加たわみは(53)〜(57)式となり, それらを用いての計算手順はp.21のFlow-Chartに示される。たわみについての計算値と測定値の比較の1例がFig.6に示される。引張り側にテーパー縁のあるFig.3のテーパーはりは, すべてテーパー縁でのせん断破壊によって破壊した。破壊荷重から, その木材のせん断強さF_<XY>を(62)式にもとづいて計算するとTable2のような値となり, 同じ角材から得られたJISせん断試験体による強さτ_cと殆ど差が認められなかった。しかし(62)式が導かれた破壊基準はNorrisの(60)式であるが, 複合応力状態での木材の破壊基準はなお確定したものではないので, 今後の研究の進展が望まれる。ここでの結果および考察から, 現段階において, 木材の通常のはりの設計に際して, Table2のτ_hの値を基準にすればそれは十分に安全な値であると考えられる。
- 鹿児島大学の論文
- 1989-03-26
鹿児島大学 | 論文
- ココナッツ油メチルエステルによる直噴式ディーゼル機関の燃焼特性
- パーム油メチルエステルによる直噴式ディーゼル機関の燃焼特性
- 屋久島における廃食油のディーゼル燃料化
- ディーゼル燃料としての廃食油メチルエステルの燃焼特性
- 伝熱面に対向して配置された縞状粗面の熱伝達への影響