1.鹿児島大学農学部高隈演習林に植林されたスギ材の材質と利用(第3報) : クモトオシスギ材の機械的性質と比重の関係
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概要
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鹿児島大学農学部高隈演習林(鹿児島県垂水市海潟)に植林された樹齢29年生のクモトオシスギ3本の供試木(胸高直径21.4〜22.2cm)を採材し, あらかじめ指定された位置から円盤を採取後, 円盤間の各地上高の樹幹について, JIS規格に準拠した強度試験を行った。これらの実験結果はつぎのように要約される。1.供試木3本の気乾比重の平均値は0.38,最大値0.59,最小値0.25を示し, 平均年輪幅は0.14〜3.06(平均値0.82), 含水率は13〜18%(平均値15.4%)の範囲にあった。2.胸高直径における心材および辺材の平均年輪幅はそれぞれ0.54,0.36cmを示し, これまで実験したヤクスギ, メアサスギのそれぞれの値(ヤクスギ0.57,0.22,メアサスギ0.57,0.41cm)と比較すれば, 心材部はほとんど差が見られないが, 辺材部はヤクスギとメアサスギのほぼ中間的な値を示した。3.それぞれの機械的性質の平均値を標準値と比較すれば, 曲げ破壊係数, 衝撃曲げ吸収エネルギーおよびせん断強さはほぼ近似した値をとるが, 曲げヤング係数, 縦圧縮強さ, 割裂抵抗はやや低い値を示した。
- 1988-03-26
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