4.桜島山腹斜面における表面流出特性
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概要
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降灰の影響を受けた山地斜面の表面流出現象を解明するために, 活発な火山活動を続けている桜島の山腹斜面のクロマツ林と広葉樹林において表面流出試験を行った。得られた結果をまとめると次のようである。1)広葉樹林はクロマツ林より表面流が発生しやすく, 表面流出量, ピーク流量とも大きい。2)クロマツ林および広葉樹林における表面流出量と総雨量の関係が示された(Fig.5)。表面流出量は総雨量の増加に伴い増大している。3)観測期間に得られたひと雨の総雨量の合計値のうち表面流として流出した割合はクロマツ林において約14%, 広葉樹林において約32%であった。4)クロマツ林および広葉樹林における表面流出のピーク流量と最大10分間雨量の関係が示された(Fig.6)。降雨強度が大きいほどピーク流量も大きい。5)表面流出は, クロマツ林において2.0(mm/10min)以上, 広葉樹林において1.5(mm/10min)以上で発生しはじめる。表面流出発生の限界降雨強度は流域の土壌の湿潤状態に影響される。6)桜島山腹斜面においては, 降灰の影響により一般山地とは異なる土壌構造が形成され, そこでの表面流出現象も特異なものとなっている。
- 1987-03-20
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