3.木材の収縮応力 : II.木材の収縮応力に及ぼす乾燥条件と試験片厚さの影響
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概要
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本研究では繊維飽和点以下で, 木材の含水率を減少させることによって生じる収縮応力を, ブナ材(Fagus crenata)の半径方向について測定した。すなわち, 半径方向の収縮を拘束し, 4乾燥条件(55℃, 乾湿球温度差3℃, 5℃, 6℃, 10℃)下で乾燥するとき, ここに発生するみかけの収縮応力に及ぼす試験片厚さの影響, 試験片内の水分分布の経過, 水分傾斜の収縮応力に及ぼす影響を検討した。得られた結果の大要は次のとおりである。1.試験片厚さが増すほどみかけの収縮応力が発生する時間は長時間側に移動し, ここに生ずるみかけの収縮応力の最大値は小さくなる。2一みかけの収縮応力の最大値は乾燥条件の影響を受け, 乾燥条件がきびしいほど, みかけの収縮応力の最大値は大きい値を示す。3.みかけの収縮応力の発生速度は, 実験に供した試験片厚さにおいて, どの試験片厚さでも, 時間経過と共に増加するが, 含水率18〜22%の範囲で極大値を示す。4.収縮応力の発生経過に及ぼす乾燥条件の影響は, いずれの試験片厚さでも含水率16〜18%付近に変曲点(ショルダー)が現われる。5.乾燥条件および試験片厚さは, 乾燥経過中の水分分布を通して, みかけの収縮応力の発生開始, 発生経過に影響を及ぼす。以上の結果から乾燥経過中に発生するみかけの収縮応力を評価するには, 供試試験片の厚さはもちろん, 乾燥条件, 特に相対湿度の影響を十分に考慮する必要がある。
- 鹿児島大学の論文
- 1984-03-25
鹿児島大学 | 論文
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