行動主義理論と認知主義理論による教授法の比較実験(XIV) : 教科(英)心理の教育心理学的研究
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概要
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教授法の比較を,都内区立中学生に実施して,その結果を要約するとつぎのようなことが結論として考えられる。実験(1)ほぼ同質の被験者(成績上,中,下を含む)に実施したoral approachの教授法とtranslation methodを含む教授法とをみると,oral approach的教授法が中学生2年生の場合は,比較的効果的であった。ことに英作の場合などは,ほかの文法,訳などに比較して非常に進歩があらわれた。これは,統計的にも実験組は5%で有意であって,統制組は有意でなく,結局,実験組は比較的進歩を示したことになる。発音テストでは,両組ともに,ほぼ同程度に成績は上昇しているが,音韻弁別度の最低は,[v]-[b]のみ有意でなく,これは異常に困難を意味する。実験(2)においては,昨年度の同一被験者を再び招致して,教授法の比較を試みた。実験組においては,統計的には有意差がみられない。これは被験者が多少減ったことにも原因している。平均値においては第1回テストが13.6で第2回テストでは15.1でいくらか向上している。ことに前回の実験と同じく,英作の項目が比較的向上しているのは,この方法が英作の進歩向上によいことを実証している。しかし,訳とか英問においては僅少だが低下している。統制組は,平均においても比較的上昇しているが,訳とか英問において比較的向上している。概して2年生の方が3年生の時より向上がみられたということができる。英文テスト(2)の結果を分析してみると,実験組の方は統制組の方よりもかなりよい結果を示している。発音弁別の難易度は,実験組,統制組の難易度の順位は,ほぼ一致している。すなわち(1)は[v]-[b]であり,(2)は[i]-[e]であって,(3)は[s]-[θ]の順になる以下省略opnthalmographの結果では,実験組は統制組に比して読書速度が向上している。実験(3)第1種テストで第1回テストと第2回テストを比較すると,英作の項目がかなり進歩して,それにつづいて文法,英問などにおいて向上がみられた。第2種テストでは,I.II.III.の平均がかなり向上しているような結果がみられた。これによってもpattern practiceが文型の学習のhabitsを作るのに非常に効果があるのであることが証明された。以上にみられるように,実験の結果は,実験組の方が比較的向上している。学校における成績も,英語担任教師に伺ったところ,それぞれ成績が向上しているという評価であった。担任教師より評価点も報告をうけた。
- 1977-05-01
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