看護教育制度の改革をめぐる看護婦2年課程学生の意識に関する調査研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
看護婦2年課程を置く群馬県下7校の専修学校の学生を村象に,今日の看護教育制度について,特に,4年制大学化と准看護婦養成停止の動きに対する意見を把握することを目的に,郵送留置法による質問紙調査を実施した。調査によって得られた777名の回答から,以下のような結果が得られた。1)対象者の7割以上は「看護職を続けていくには看護婦の資格が必要」と考えて現在の学校に入学してきたが,学校に満足だと回答した者は約3割に留まった。満足度を阻害する最大の原因は,勤労学生としての仕事上の負担の大きさにあると推察された。2)看護教育の4年制大学化の動きについては,対象者の7割以上が「一般社会が学歴社会だから当然」だとしつつも,他方ではほぼ同数の者が「看護婦間での待遇差を生むのではないか」との懸念を表明するという,肯定・否定入り交じる評価が明らかになった。3)准看護婦養成停止に関しては,これに賛成した者は対象者の2割弱に過ぎなかった。ただし,従来から制度間題に関心を寄せていた者や,准看護婦としての就労経験の長い者ほど養成停止に賛成する者の割合が高かった。4)現在就労する准看護婦全員が看護婦資格を取れるよう保障する施策や,准看護婦から看護婦資格への移行教育における通信制や衛星放送教育の導入などの要求については,准看護婦としての就労経験の長い者ほどこれを否定する傾向が強かった。
- 群馬大学の論文
著者
関連論文
- 看護教育制度の改革をめぐる看護婦2年課程学生の意識に関する調査研究
- 公立富岡総合病院・青木孝子--その人と実践(5)改善の連鎖・さまざまな改革の素地
- 公立富岡総合病院・青木孝子 その人と実践(4)改革への胎動・初期の業務改善
- 公立富岡総合病院・青木孝子 その人と実践(2)看護学校から群馬大学医学部附属病院へ
- 特別記事 看護管理30年・公立富岡総合病院・青木孝子の思想と実践 文献に見るこの15年
- 座談会:通信制の抱える問題とそこで学ぶ意味 (特集 「看護師2年課程通信制」発足から3年)
- 2年課程通信制への期待と懸念--准看護師養成停止への突破口になりうるか (特集 看護師学校養成所「2年課程通信制」実施へ)
- 焦点 静脈注射問題,どう受けとめどう対応するか
- 時事を読む 准看護婦・士の「移行教育」受講意思に関わる要因の研究--自治体・公的病院を中心とした准看護婦・士1552名への調査結果から
- 老人病棟入院医療管理料病院における介護職員の現任教育の実態と関連要因の分析
- 看護基礎教育の視点からの看護政策の学び方 (ナーシング・アプローチ 看護政策の学び方) -- (第1章 看護政策を学ぶ視点)
- 「准看護婦養成停止」と看護教育の課題--主として「移行教育」をめぐって (特集 現場から語る准看問題)
- 老人病棟入院医療管理料病院における介護職員の採用動向に関する研究