市川市2・3水系の水質とプランクトン相の年変化
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概要
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近年水質汚染についての関心が高まり、各地の水質も改善されてきているが、この市川市国府台ではいまだに下水道の整備が遅れている。この研究では市川市国府台にある和洋女子大学の近隣の水系、江戸川、湧水の羅漢の井、溜池のじゅん菜池に目を向けて、水質汚染状況を知る目的で水質及びそこに生息するプランクトンの出現状況について2000年12月から2004年11月まで調査した。水質では、水温、pH、溶存酸素(DO)、COD(化学的酸素要求量)、NH_4-N、PO_4-P、LAS(陰イオン界面活性剤)、プランクトンでは種類と生息数などの項目について調査した。その結果、江戸川でのCODの変化は著しいものであった。2002年頃までは40mg/1以上の水質汚濁度(COD)を示したが2003年以降10mg/1以下にまで減少したことである。これは北千葉導水路完成により、利根川の水が江戸川に導水された結果とみられた。しかしその反面NH_4-NやLAS濃度は2003年以降時として高い値を示した。生活排水の流入のないはずの羅漢の井やじゅん菜池にも2003年以降同様の傾向がみられた。このことは生活排水の地下水汚染が原因であることを示唆していると思われた。また、じゅん菜池でのプランクトンの生息数は2002年以降次第に数を増し、その大部分は、Aulacoseiraを優占種とする珪藻類であった。Aulacoseiraは高栄養塩下では螺旋形態をとるとされているが、ここではほとんどが螺旋型でプランクトン総数の約80%を占めた。このAulacoseiraの出現数とそのときのNH_4-N濃度との間には有意な正の相関が得られた。
- 2006-03-31
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