後期旧石器時代後半期の居住形態の地域的様相 : 愛鷹・箱根第3期・第4期の遺跡群
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概要
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本稿では,愛鷹・箱根第3期・第4期の石器群を対象として,後期旧石器時代後半における居住形態変化の地域モデルについて検討した。居住形態の変化と関連して石器群の技術構造,石材消費も推移している。また時期ごとの遺跡分布から開発領域の変化を促え,これを気候変動に伴なう資源分布の変化と対応したものと推測した。第3期前半には,この地域で活動した狩猟採集民は遊動性が高く,各局面に即応可能な石器製作システムを保持し,山麓の低位丘陵を主たる開発領域としていた。これは第4期前半までに兵站的な居住形態へ移行し,効率的な石刃製作に基づく石器製作システムが採用され,開発領域は箱根山山腹へも広がった。第4期後半には箱根山山腹への回帰的移動が箱根産黒曜石の獲得を組み込んだ形で行われるようになり,箱根産黒曜石の潤沢な供給を背景として尖頭器の量産を行う石器製作システムが現れた。このように,石器群と居住形態の変遷は地域開発の進行に対応したものとして位置づけた。
- 2006-03-31
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