古墳出現期における地域間関係 : 「白江式」の検討を中心として
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概要
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小稿は,北陸西部地域における古墳時代初頭の土器様式である「白江式」の検討を中心として,古墳出現期における地域間関係や新しい文化に対する地域の対応を解明することを目的としている。従来,北陸地域における古墳時代初頭段階における土器や墓制の変遷には東海地域の影響や政治的関係をみる考えが多かったが,土器を中心とした比較対照から近江地域との関係性の強さを示した。さらに北陸西部が近江地域(特に琵琶湖北〜北西部地域)との関係性を強めた背景には,北陸西部社会のベクトルの先が大和地域を向くようになったためと考えられる。近畿〜北陸西部地域では,大和地域を志向するリレー式の地域間関係が古墳時代初頭に成立し,以後段階的に土器様式の地域差が解消されていくと考えられるのである。このような地域間関係の中,北陸西部社会は新来の文化に対してどのように向き合っていたのか。北陸西部の古墳時代初頭期の代表的集落について土器相から類型化を試みた結果,古墳時代「新出集落」を中心として新出形式("近江系"土器主体)への転換が進められており,さらに煮沸形式のあり方などからみて,新出形式の受容に際しては一定の選択性が働いていることが分かった。土器における新出形式への転換の中心となっている古墳時代初頭新出集落は,墓制の変化過程も考え合わせると,在地集団主導の下,再編成された集落と考えられ,それが各小地域において新来文化受容の拠点的な役割を果たしたと考えられる。
- 2005-03-31
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