循環資源のアジア輸出に伴う諸問題について(論文部門)
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概要
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近年の中国を中心としたアジア地域の急速な経済発展と経済活動のグローバル化に伴って、循環資源のアジア地域への輸出が急増している。この輸出に伴うわが国の循環型社会形成に及ぼす影響は、(1)循環資源の国内価格がアジア地域の需給変動に強く影響を受けるようになった、(2)国内リサイクル産業の経営の悪化と海外進出等によるリサイクル産業の空洞化の進展、(3)リサイクル制度で定める特定事業者の再商品化義務量とその費用の低減化による拡大生産者責任の事実上の形骸化、(4)わが国の循環技術や環境物品の開発インセンティブの低下による循環技術の発展の阻害、(5)半導体基板くずや廃家電製品等に含まれるレアメタルの海外流出とレアメタル回収技術の発展の阻害などである。循環資源のアジア輸出についての評価には、国際循環を容認もしくは推進する立場と、国内循環の形成を優先する立場の二つの潮流が存在する。国内循環と国際循環の望ましい発展のために、(1)拡大生産者責任の徹底、(2)戦略的循環資源としてレアメタルの国内回収の原則、(3)アジア地域への拡大生産者責任の普及、(3)アジア地域への環境規制制度と循環技術の移転等が必要である。
- 人間環境大学の論文
- 2006-03-31
著者
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