アリールイミド化反応の半経験的分子軌道法による考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フタル酸からは無水フタル酸のアリールイミドが合成できないのに反して,HET酸からは無水HET酸のアリールイミドと同一の化合物が合成できる実験事実を半経験的分子軌道法を用いて理論的に解釈しようとの観点から,(1)フタル酸とHET酸との反応性の違い(2)HET酸とアリールアミンとの反応生成物の構造体の推定(3)HET酸および無水HET酸を出発物質とするアリールイミド合成の2つの反応の可能性の3点に焦点を当てて考察した。フタル酸とHET酸との反応性の違いについては,その原因がフタル酸とHET酸とに結合している二つのカルポキシル基相互の立体配置にあると考え'フタル酸ならびにHET酸に結合しているカルボキシル基の立体配置を半経験的分子軌道法MOPAC/PM3を用いて解析し,カルボキシル基の立体配置とイミド化の反応性との相関性について考察するための第一段階として,カルボキシル基の立体配置について検討した。HET酸とアリールアミンとの反応生成物については,反応ではHET酸の水素がアリールアミンに移動し,HET酸アニオンとアリールアミンカチオンとがイオン結合するものと仮定して,両イオン構造体間の距離と生成熟の相関を検討して安定な構造体の存在を推定した。さらに,無水HET酸およびHET酸の2つの酸からアリールアミドが合成できる可能性については,それぞれの反応経路に関与する物質を同上の解析法を使用して最適構造を推定すると共にそれぞれの最適構造体の生成熱を求め,反応の進行により,生成熱がどのように変化するかを考察して,両反応の可能性を検討した。
- 東京経営短期大学の論文
- 1995-03-31
著者
関連論文
- 2Q03 液晶の磁気緩和
- 1C04 平均場モデルによるネマチック液晶中の異方的分子間力の解析(物理・物性)
- PA02 二軸性GBモデルによる二成分混合系のモンテカルロ・シミュレーション(物理・物性)
- 1PA10 二軸性楕円体モデルを用いたモンテカルロシミュレーション
- 1PA05 液晶・非液晶混合系の分子動力学シミュレーション
- PAb05 形状二軸性モデルを用いた液晶混合系のコンピュータシミュレーション
- 3B09 Semifluorinated n-alkanesの相転移と密度
- PAa03 折れ曲がり分子のMCシミュレーション
- 1B10 鎖状モデルを用いた液晶系のMDシミュレーションII
- 2A02 鎖状モデルを用いた液晶系のMDシミュレーション