新潟県下のローム層 そのII : 信濃川ローム層の層序
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概要
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信濃川ローム層は,新潟県の中央部の津南地域から下田地域の信濃川流域に分布している.筆者らは,津南地域の模式地のローム層の層相と,ローム層に狭在する粗粒火山灰層の鉱物組成について,すでに報告した(新潟火山灰グループ, 1981).信濃川ローム層は,全体的には3累層に分けられ,古い方から谷上,米原,貝坂ローム層である。本報告では,細粒火山灰層からなる米原ローム層,貝坂ロームの層序と対比について,層相と鉱物組成から調査したものである。ローム層の層序は,層相,鉱物組成,段丘面上を覆うローム層の対応関係から区分される。米原ローム層は,MA1, MA2, MB1, MB2, MC1, MC2, MC3の7層に区分され,貝坂ローム層は, KA, KB, KC, KD, KD, KFの6層に区分される。各部層は複数の火山灰層からなり,特徴的な層相と鉱物組成を示す.各部層は全般的に南西部から北東部に薄くなる。特に,MB層とKC層は津南地域とその隣接地域にのみ分布し,急激に薄層化する。これらはスコリア質・石質の細〜粗粒火山灰である。一方,他の部層は広く分布し,層厚の変化も小さい.それらはガラス・軽石質または,軽石質の火山灰である。この分布様式と層厚変化の違いは,各火山灰層の給源の違いを反映していると推定される。MA層は飯繩火山を給源とし,MB層は黒姫火山と妙高火山を給源とする。MC層はおもに妙高火山を給源とする他,一部に遠方の火山起源のものもある。KA層の一部とKB層は黒姫火山と妙高火山を給源とし,KC層も同様である。一方,ガラス・軽石質細粒火山灰鍵層M6.5,K1とKB層,K4とKD層,K5とKE層は,それぞれ異なる起源の遠方の火山噴出物である。
- 1995-05-25
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