礫質河川野州川の氾濫堆積作用(<特集>堆積過程に対応した地層解読をめざして)
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概要
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1992年礫質河川野洲川で逆級化する洪水氾濫堆積物を発見して以降,継続して洪水観測と堆積過程の解明を行って来た.堆積物の中央粒径は基底の3φから上方に粗粒となり,最上部は-3φに至る.分散度は単層中央部で最もよい.94年9月洪水と95年5月洪水はピーク水位は同じであるが堆積物の分布は95年堆積物のほうが広い.これは初夏と秋という植生の濃さの違い,および氾濫時間の長さの違いの相乗効果のためである.野洲川の氾濫堆積は供給量の著しく卓越したタイプの堆積作用であり,前進型と累積型の堆積様式で特徴づけられる.氾濫堆積はバンクから離れたところのシルト・細粒砂に始まり,水位が上昇するに伴ってバンク沿いで粗粒砂のプレーンベッドが形成された.最高水位のあたりでは無成層の礫層が堆積し,水位下降期では礫質デューンの前進が顕著になった.さらに水位が下降すると,末端部では洗い出されて来た砂によって小さなデューンやカレントリップルが形成された.
- 地学団体研究会の論文
- 1998-03-25
著者
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