2次元的拡大像の見えの大きさと見えの距離について
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概要
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2次元的に拡大縮小する2点ドットパターンを用いて,運動振幅において異なる2種の評価時点に関する大きさ評価(2点間の見えの間隔)と距離評価(観察者から奥行方面への見えの距離)とをマグニチュード推定法によって測定した.条件として,視角の変化と輻輳の変化方向が矛盾する条件と矛盾しない条件などを設定した.その結果,大きさを評価する場合,輻輳変化に比べて視角変化の効果が大であった.運動の拡大範囲がより広い条件において,より恒常性が高い結果が得られ,運動の連続性と認知的要因の関与が示唆された.因果解析により,視角変化と輻輳変化の方向が矛盾する条件においては,大きさ評価と距離評価との間に直接的規定関係が推定され,一方,視角変化と輻輳変化の方向が矛盾しない条件においては,大きさ評価と距離評価との間に直接的規定関係は推定されなかった.また因果解析の結果について,従来の研究にみられる手がかりが十分でない条件の結果との類似点について論じられた.
- 1992-03-31
著者
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