15.近世的塔頭方丈成立過程の考察
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概要
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日本中世における禅宗寺院(臨済)の塔頭は昭堂がその主体を構成し、方丈はたんなる住施設にすぎなかった。しかし中世末より近世にかけての現在残つている方丈の建築は塔頭の主体的建造物であり、そしてその平面は左右対称の六つ間形式で、一つのtypeを形成している。このような塔頭における建築の価値の転換は中世末における寺院経済の窮亡が本来の機能の変質した菩提所的塔頭の設立と塔頭規模の縮少を促がしたことによるのであろうと考え、そして次に室町中期における方丈を塔頭内の他の建築と比較し、その平面形式、空間構成および機能を推測することによつて、近世的塔頭方丈の成立過程を論じた。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1953-12-25
著者
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