看護学実習の構成要因に関する研究
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概要
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この研究の目的は,看護学実習の現状を,教授=学習過程である授業という視点から分析することによって,看護学実習の構成要因を,明らかにすることである.研究方法は,グラウンデッドセオリーアプローチを参考にした.研究対象は,病棟看護婦が業務を行いながら指導にもあたる体制のもとで行われる3年課程の臨床実習場面である.その結果,看護学実習の構成要因は,学生,指導者,患者を中心として,各々に関わっている人との相互行為によって分類された.さらに,これらの構成要因を検討することにより,看護学実習が授業として成立するためには,次の要件が必要であることが示唆された.1)教師は,学生の学習過程と患者に行われている看護に関して査定を行いながら,教授活動を展開している.2)教師は,患者に看護をおこないながら,その一部を教材として構造化し,学生に提示している.3)教師は,一般的な教授技術を修得している.4)学生は,学習課題を認識し,目標達成のために,学習活動を行っている.5)学生と教師による相互行為,相互浸透行為が重ねられている.