タングルウッド・シンポジウム考その1 : あるいはアメリカ音楽教育の一座標
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概要
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本研究は,1967年7月23日から8月2日までアメリカ合衆国のマサチューセッツ州タングルウッドで開催された音楽教育の学術会議「タングルウッド・シンポジウム」について,その内容を詳柵に分析すると共に,この会議によってアメリカの音楽教育にどのような意味や意義がもたらされたのか,そしてわが国の音楽教育にどのような意義・意味を持つのかについて考察することを目的とする。本稿では,第一報として,プログラムの内容,発表者,および出席者の分析を行い,この会議の構成とシンポジウムの大まかな流れについて把握することを試みた。その結果,このシンポジウムでは,(1)「全体会」「課題研究」「分科会」の3つの活動が行われ,それぞれ明確な目的をもってテーマ設定がされていたこと,(2)当時の第一線で活躍していた哲学者,教育学者,心理学者,音楽学者,演奏家などが招待され,重要な貢献を果たしていただけでなく,音楽活動を支援する大企業の役員や政府関係者も出席し,研究と実践の両側面においてレベルの高い議論が展開されていたこと,(2)全体参加者数を限定し,より実りの多い議論が可能になるように運営が極めて配慮されていた。
- 2006-03-20
著者
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