常用句の日独対照研究のために : 視点の違い
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概要
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従来のポライトネス(丁寧さ)の研究では、コミュニケーション行動制御常用句についてはほとんど扱われてこなかった。コミュニケーション行動制御常用句とは、聞き手の行動を当該社会で通用している行動規範に照らして否定的あるいは肯定的に評価し、その行動の修正あるいは促進を試みるメタ言語的定型表現のことである。たとえば、「人のことも考えなさい」は、そのような表現の一つである。これと等価なドイツ語表現は、"Denke doch auch mal an andere!"であろう。両表現は、たしかに機能、形態、意味の面で対応しているように見える。しかし、つぶさに比較すると違いが認められる。その違いの一つは、表現形成の際の「視点」にある。本稿では、日本語常用句に関わる視点の特徴を、対応するドイツ語常用句表現と対比することにより例示し、それによって今後の体系的な研究のための基礎を提示する。
- 2006-03-31
著者
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