馬インフルエンザAウイルスを接種した馬におけるリン酸オセルタミビルの効果(ウイルス学)
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概要
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馬インフルエンザAウイルス(H3N8)を接種した馬へのリン酸オセルタミビル(OP)の経口投与の効果を検討するため,9頭の軽種馬を対照群,治療群[2mg/kg,1日2回,発熱(≧38.9℃)後5日間]および予防群(2mg/kg, 1日1回,ウイルス接種1日前より5日間)の3群各3頭に分け,ウイルス接種試験を実施した.治療群におけるウイルス排泄および発熱期間(平均±標準偏差)は,それぞれ,2.3±0.6および2.0±1.0日であり,対照群(それぞれ,6.0±0.0および8.0±1.0日)に比較して明らかに短縮していた.予防群では,発熱およびウイルス排泄は防ぐことはできなかったものの,ウイルス排泄および発熱期間は,それぞれ,5.0±0.0および4.7±1.5日であり対照群に比較して短縮していた.また,ウイルス接種7日後に採取した全ての馬の気管支肺胞洗浄液から,2次的な細菌性肺炎の一般的な原因菌として知られるStreptococcus equi subsp. zooepidemicusが分離されたが,治療群および予防群の菌数は対照群の菌数よりも有意に少なかった.以上の結果から,OPの経口投与は,馬インフルエンザAウイルス感染によるウイルス排泄および発熱を抑制し,2次的な細菌性肺炎の緩和に寄与することが示唆された.
- 2006-09-25
著者
-
山中 隆史
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
辻村 行司
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
近藤 高志
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
松村 富夫
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
帆保 誠二
日本中央競馬会競走馬総合研究所
-
帆保 誠二
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
帆保 誠二
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所微生物研究室
-
松村 富夫
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所分子生物研究室
-
帆保 誠二
日本中央競馬会 競走馬総合研
-
山中 隆史
日本中央競馬会 競走馬総研
-
Kondo Takashi
Epizootic Research Center Equine Research Institute Japan Racing Association
-
Kondo T
Epizaootic Research Station Equine Research Institute Japan Racing Association
-
帆保 誠二
日本中央競馬会 栗東トレーニングセンター
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