核磁気共鳴分光法による無水マレイン酸グラフトポリプロピレンのグラフト構造直接解析
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概要
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無水マレイン酸(MA)がグラフトされたポリプロピレン(PP)(MA-g-PP)工業用製品のグラフト構造直接解析に,著者らが用いた種々条件による一次元^1H-核磁気共鳴分光法(NMR)及び^1H観測二次元NMR法が有効であった.解析した数種類の工業用MA-g-PPに従来よく知られていた無水コハク酸(SA)シングルリンググラフト基に加えて,二重結合を介してポリマー末端に結合したSAリング:無水イタコン酸(IA)末端,としてのグラフト基が存在することが明らかとなった.このIA末端の^1H,^<13>C-NMRピークについて,すべての帰属を初めて示した.更に,これらグラフト構造について定量的考察を行った.グラフトMA(g-MA)量と(IA末端量/g-MA量)比に相関があることが示唆された.MAグラフト化によるポリマーの数平均分子量低下にIA末端生成反応の寄与が大きいと推定された.g-MA量0.05〜2.09mol%の範囲ではg-MA構造はPPの立体規則性になんら影響しないことが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2006-08-05
著者
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