ヤマウルシ樹皮に含まれる加水分解性タンニンは,酵母由来の真核生物型グルコサミン-6-リン酸合成酵素(GFAT)を選択的に阻害する
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概要
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糖尿病による高血糖状態はへキソサミン合成経路を異常に亢進させ,様々な糖尿病合併症の発症と密接に関係している。本研究では,この合成経路の律速酵素であるグルコサミン-6-リン酸合成酵素(L-グルタミン:D-フルクトース-6-リン酸アミドトランスフェラーゼ;GFAT)の活性を阻害するヤマウルシ(Rhus trichocarpa MIQ.)樹皮の成分の単離・精製と構造解析を行い,この植物に含まれる阻害物質は,加水分解件タンニンに属する1,2,3,4,6-pentagalloyl-β-D-glucoseと3-m-digalloyl-1,2,4,6-tetragalloyl-β-D-glucoseであることを見いだした。また,これらの加水分解性タンニンによる阻害作用は選択的で,酵母由来の真核生物型GFATに対しては顕著な阻害効果を示したが,大腸菌由来の原核生物型GFATの活性にはほとんど影響を及ぼさなかった。今回の実験結果並びに文献に基づいて,加水分解性タンニンによる真核生物型GFATの阻害メカニズムについて考察する。
- 2005-12-26
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