柔軟防水剤の性能に関する研究(第2報) : 防水加工布の汚染性と洗浄性について
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概要
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防水加工の洗浄効率への影響がどのような形で現われるか,その一端を知るために条件を設定して人工汚染布についての洗浄率を検討した結果を要約する。1)汚染布の保存に関しては,保存日数10日以後の洗浄効率の低下が目立っている。特に防水処理を行わないレーヨンにその傾向が著しい。湿潤状態での保存が乾燥状態での保存より洗浄率の経日低下が目立っている。その傾向は防水処理をしない布に著しい。2)汚染液の油の含有量が汚染性と洗浄性に与える影響については,オリーブ油と流動パラフィンの相対量は汚染性と洗浄効率に顕著な影響を与えないが,油の総量の増加は汚染性を増し,また洗浄効率を次第に低下させる。防水加工布は無加工布より汚染度が少なく,また油の含有量の増加による汚れの増大もいくぶん少ない。油の総量が増加すると,水洗浄と洗剤による洗浄の効率差が大きくなるが,防水加工布にはその傾向は見られない。3)洗剤へのアルカリの配合効果は著しく,洗浄効率の上昇に有益にはたらくことがわかった。0.5%炭酸ソーダ溶液の洗浄力は0.01%中性洗剤溶液よりはるかに大きい。中性洗剤0.1〜0.3%濃度の間での洗浄力上昇が著しく,0.3%の中性洗剤溶液に0.5%の炭酸ソーダ配合の洗浄率が最も高い。4)防水加工が洗浄性に与える影響を全般的に検討すると,防水処理はいづれの条件においても洗浄効率が著しく低下するが,汚染性は少なくなる。汚染後の経過日数による洗浄力の低下は無加工布より少ない。防水加工したものは,水洗浄と洗剤洗浄の効率の差が少ない。以上挙げた防水加工による洗浄性の変化は金巾とレーヨンに顕著である。本研究に協力願った浜田ひろみ研究補助員に感謝する。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1966-03-01
島根県立大学短期大学部 | 論文
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