Paragium Aの性能に関する研究(第1報) : 加工布の吸湿性・浸透性・柔軟性・膨潤性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Cotton・Rayon・Silk・Nylon・TetoronのParagium A加工による吸湿性・浸透性・柔軟性・膨潤性の変化についての試験結果を要約する.・防水液濃度が増すと吸湿性・浸透性・柔軟性・膨潤性が減少するが,濃度0.5〜2%の間での減少が大きく,2〜5%の間では少ない.なかでも吸湿性と浸透性の減少が大きく,特にCotton・Rayonの濃度2%の防水加工による吸湿性・浸透性の減少が目立っている.これはA. A. T. C. C.法(Amerikan Association of Textile Chemists and Colorists)による揆水度試験結果とも一致している.すなわち防水液濃度2%までの揆水効果の上昇が大きく,それ以上7%まではほとんど揆水度上昇が見られない.Nylon・AcetateはCellulose系の試布と比べて吸湿性・浸透性の減少が少ない.これは分子結晶領域が多い合成繊維は疎水性を有するために防水液の浸透が悪く,その影響が少ないと思われる.・キュアリングしたものは自然乾燥よりも吸湿性・浸透性・柔軟性・膨潤性の減少が大きい傾向にある.特にCotton・RayonのCelluloseの布地にその傾向が顕著である.これはキュアリングにより,防水剤とCelluloseの-OHとの結合が促進されるためと思われる.・柔軟性に関しては,防水液濃度よりも乾燥法による影響が大きく,一般に自然乾燥したものは未加工布より柔軟となりキュアリングしたものは未加工布より硬くなる.・以上の結論よりParaginm A柔軟防水剤の濃度は2%が最適であり,それ以上の濃度では効果が少なく,かえって柔軟性の減少をきたし悪い結果となる.防水効果およびキュアリング効果はCellulose系の布地に顕著である.Silk・Nylon・Tetoronはキュアリンググの効果は少なく,かえって柔軟性の減少の害が大きいからキュアリングは適しない.
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1965-01-30
島根県立大学短期大学部 | 論文
- 脂肪酸摂取法の違いによる食生活改善における有効性の差異について
- 山陰地方の戸建住宅における住様式
- 斐伊川流域における住宅の特性
- 健康学習と自己決定に基づく肥満予防プログラムの開発と評価
- 高林方朗『弥久毛乃道中』について : 解説と翻刻