柔軟防水剤の性能に関する研究(第4報) : 紫外線の影響について
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概要
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防水加工布の紫外線照射による黄変と強度変化を知るために絹・ナイロン・木綿・レーヨンの試布について照射時間と照射温度の条件を設定し,無加工布との比較によって検討した。さらに石けん水浸漬前と後および紫外線照射と室内散光曝射の比較をなし,洗たく時のすすぎの良否および直射光線による乾燥と散光による乾燥が白度と強度におよぼす影響を知ることができた。その結果を要約する。1白度の変化1)防水加工によって紫外線による黄変が著しくなるが,ナイロンは他の試布よりその影響がいくぶん少ない。2)照射時間の累積による黄変が大きいから短時間に乾燥することが大切である。3)すすぎの不完全は黄変の原因となるが,特に絹にその影響が大きい。防水加工布は無加工布より石けん焼けが少ない。4)照射温度上昇は黄変促進の傾向となるが,防水加工布は温度上昇の影響が少ない。5)室内散光による白度低下は,加工布・無加工布・照射時間の累積のいづれの場合も僅少であるから,黄変防止のためには直射光線をさけて,日蔭か室内散光によって乾燥する必要を認めた。2強度の変化1)紫外線照射による強度低下は,無加工布において次のことを認めた。木綿は照射の初期において強度低下を示すが照射時間の累積による強度低下は少なく,絹は時間の累積による強度低下が急である。2)防水加工布の紫外線による強度低下は無加工布より著しく,特に絹にその影響が大きい。3)照射時間の累積と照射温度の上昇による強度低下は無加工布に大きく,特に絹に顕著である。4)室内散光による強度低下は防水加工布の石けん水浸漬の場合に絹>木綿・レーヨン>ナイロンの順で低下を示したが,無加工布および石けん水浸漬前のものは変化を見なかった。5)絹の防水加工布はすすぎの不完全および直射光線による強度低下が他の試布より著しい。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1968-03-01
著者
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