土及びセメント混合剤としてのベントナイトの応用的研究
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概要
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土は岩石の風化によって運積されたものであるから,個々の粒子の鉱物的性質,粒子の配合,密度,間隙量及び含水量により性質の変る極めて複雑な材料である.地球上広く分布するこれらの土は,有史以来,人類はじめ生物界と関係の深いものであるが,その性質の複雑さの故に,近代科学をもってしてもなお難解な問題が残されているようである.広く作物生産の媒体として扱う農学,構造物の基礎としてまた土自身を構造材料として扱う土木工学においては,土に関する諸問題を科学的に究明し,利用目的に対して土性を改良,処理することは大きな課題であろう.土は実質部と間隙からなり,空気や水を内包する間隙の形状と絶対量は土の物理的性質を支配する最も大きい要因と考えられる.本研究はI部として,ベントナイトの有する特性を応用し,これを混合剤として対象土の粒度組成を調整し,また間隙をコントロールすることによって土性の改良,土質の安定化をはかる目的で行った基礎的,応用的研究を述べた.II部においてベントナイトをポゾラン質混合剤としてセメントに混合した場合,コンクリートのコンシステンシイ,強度透水抑制及び耐久性に及ぼす影響について論じ,その適正施用量,効果を明らかにした.本文は紙数の都合上原論文を縮文し,既報の部分は省略したので全文としての体裁に不備の点があることを註記しておく.
- 大阪府立大学の論文
- 1963-03-31