2 小児循環器病学,診療の展望(シンポジウム わが国の小児医学・医療の展望,第611回新潟医学会)
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概要
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小児循環器病学の展望について概説した.画像診断においては心エコー,心カテーテル検査のほか,CT,MRIなどの低侵襲性画像診断装置によって診断が正確かつ迅速に行われるようになった.心臓外科学の発展は先天性心疾患の予後を改善し,キャリーオーバーする患者も増加した.それによって重症先天性心疾患で成人期を迎える患者も増加し,成人先天性心疾患という新たな分野も登場した.また近年はカテーテル治療が発展し,低侵襲性に治療が行われる疾患が増加するとともに外科治療との共同作業による治療も行われるようになった.心不全においては新しい概念とともに内科的治療も発展した.また重症心不全には心臓再同期療法や再生医療などが期待される.難治性心不全の場合には心臓移植が選択されるが,小児においては臓器移植法によって制限があり,現時点では渡航移植に依存せざるをえない状況である.以上,小児循環器病学は20世紀に飛躍的に発展したが,21世紀は,救命の医療からQOLを重視する医療が重要と思われる.
- 新潟大学の論文
- 2006-03-10
著者
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