食道再建術後の再建胃管の運動能について
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概要
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背景:食道癌で食道切除後の再建臓器としては胃管を用いる事がおおい.胃管の胃電図的分析にて体表面より3cpmの波形が記録される事を以前報告した.今回は胃管の内圧運動を測定分析し検討した.目的:再建胃管の内圧波を記録し,その運動能,機能を分析検討する.方法:圧センサーカテーテル(5チャンネル)を透視下で被験者(n=7)の鼻腔を介し胃管に挿入,第一センサーが頚部食道胃管吻合部直下の胃管上方付近(鎖骨下)にくるように固定し,Digitrapperに接続後内圧を食前1.5時間,食後30分間連続記録した.センサー間距離は1-2が3cm,2-3,3-4,4-5は5cmであった.カロリーメイト2本(100kcal/本)摂取前後の内圧波の(1)1分間の平均収縮波数,(2)平均振幅(mmHg),(3)平均面積(mmHg^* sec),(4)運動指数(MI)(Ln{Σ(mmHg^*sec)/min})の計算とFFT(fast Fourier transform)による周波数分析をおこなった.内圧波の周波数領域群は胃電図に準じBradygastria(0-2.4cpm),3cpm(2.4-3.7),Tachygastria(3.7-10.0),Duodeno-respiratory component(10-15)に分類した.結果:空腹時に7人のうち2人に規則的な収縮波(3回/分)の出現を数分間認めた.しかし平均収縮波数,平均振幅,平均面積,MIいずれの指標値も食事負荷による増加は認められなかった.FFTによる周波数分析では3cpmの成分が食事負荷によりその出現率の増加(15%)を認めた.結論:再建胃管は本来の胃の活動の一部を保持し,食道としても胃としても機能を発揮していることが示された.
- 新潟大学の論文
- 2006-01-10
著者
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寺島 哲郎
新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
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寺島 哲郎
新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野(外科学第一教室):新潟大学大学院医歯学総合研究科基礎応用器官生理学分野基礎体液生理学分野(生理学第二教室)
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寺島 哲郎
済生会三条病院 外科
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寺島 哲郎〔他〕
新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野(外科学第一教室):新潟大学大学院医歯学総合研究科基礎応用器官生理学分野基礎体液生理学分野(生理学第二教室)
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