ムラサキイガイの生産量, 日生産量, 現存量及び回転率
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概要
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神戸須磨海岸で連続採集したムラサキイガイの主コホートについて, その生産各量を計算した。(移入コホートは個体数, 現存量とも, 主コホートに比べ極端に少ないので, その生産は無視し得る。)計算のもととして, 生長については一般ベルタランフィ式, 個数密度生残値については新しく開発した生残式, ならびに測定によって得たいくつかの相対生長に関する式を使って, 生産量, 熱量生産, 1日当りの生産の変化, 現存量の変化, 回転率を求めた。1日当りの生産は, 幼貝の定着直後において生体重で200g/m^2, 定着から150日目には430g/m^2に達し, その後はゆるやかに減少する。生産総量は生体重で169kg/m^2/3.42years, 灰分排除乾肉重で9.342kg/m^2/3.42 years, 貝殻内有機物が2.304kg/m^2/3.42yearsと算出された。熱量生産は乾肉が49998kcal/m^2/3.42 years, 殻内有機物が13016kcal/m^2/3.42 yearsとなった。熱量生産のうち, 70.0%が最初の1年間で, 21.6%が2年目に, 7.7%が3年目に, 0.27%が4年目に生産されることがわかった。平均現存量は生体重で29.26kg/m^2となり, 灰分含有乾肉重で1.571kg/m^2の数値を得た。回転率は生体重で計算すると, 5.781, また灰分含有乾肉重で計算すると6.624となった。
- 日本貝類学会の論文
- 1985-12-31
著者
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