ムラサキイガイにおける現存量と総占拠面積一定の傾向について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ムラサキイガイの現存量は幼貝が定着した後急激に増加して半年後になると安定量に達し, その後その値を維持する。現存量が一定を保っている間は個数密度と平均個体重の積は一定となる。しかし貝の生長はたえまなく続いているので, 現存量は増加しなければならないはずである。それで生長によって現存量がある一定量を超えると, 超過した分だけの個体がまびかれ現存量が一定になるような調節が働いているものと思われる。幼貝が定着してから半年以内は個体占拠面積の総量が一定となる。すなわちこの時期は平均個体占拠面積と個数密度の積が一定となるわけである。貝は生長を続けているので, 個体占拠面積の総量は増加する方向へと移行するはずである。しかしここでも同様にその値を超過する部分に総占拠面積を一定とするようなメカニズムが働いて個体がまびかれ, 値が一定に保たれているものと考えられる。
- 日本貝類学会の論文
- 1985-03-31
著者
関連論文
- (1) ムラサキイガイの生長の一般ベルタランフィ式による解析と式のパラメーターに及ぼす密度の影響(日本貝類学会平成元年度総会)
- ムラサキイガイ個体群の密度効果について
- C3 ムラサキイガイの生産について(日本貝類学会 61 年度総会)
- ムラサキイガイの生産量, 日生産量, 現存量及び回転率
- ムラサキイガイにおける基本的な数種類の相対生長関係について
- ムラサキイガイにおける現存量と総占拠面積一定の傾向について
- ムラサキイガイの生態学的研究 III : 親個体群中における新規定着群の消長
- ムラサキイガイの生態学的研究 II : 光透過法による年齢査定
- No.15 : ムラサキイガイ個体数密度の決定について(I. 記念式典及び総会, 日本貝類学会創立 50 周年記念大会)
- ムラサキガイの生態学的研究 : I.被席の変動
- ムラサキイガイの習性について(日本貝類学会 44 年大会)
- 須磨海岸におけるムラサキイガイ個体群の付着, 生長及び死亡に関する生態学的研究
- 須磨海岸におけるムラサキイガイの成長について