北海道の中新統より産出したイガイ科(二枚貝)の 2 種
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概要
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北海道の中新統石井沢層, 築別層よりイガイ科に属する二種を採集し記載・報告した。そのうちの一種であるModiolus cf. lagunanus Loel and Coreyは, 道東の石井沢層より産出し, 殻は小型で, 比較的厚く, 細長い四角形を呈し, 適度に膨む。前, 後縁は狭く丸味を帯び, 背縁は直線状, 腹縁はわずかに窪む。殻頂は小さく, 鈍く, 前端付近に位置する。明らかな陵が殻頂から後腹端に走る。内層は真珠質である, といった特徴を持ち, カリフォルニア南部の漸新統∿中新統に知られるModiolus lagunanus Loel and Coreyに比較される。別の一種であるAdula chikubetsuensis n. sp.は, 道北西部の築別層より産出し, 以下の特徴を持つ : 殻はやや小型, 薄く, 横長の円筒状, 等殻で不等側, 前背縁は短かく, ゆるやかな曲線を描く, 後背縁は直線状である。前縁は丸味を帯び, 後縁上部は背縁に対し鈍角をなし, ゆるく傾く, 後縁下部は丸味を帯び腹縁に漸移する。腹縁は中央で窪み, 殻の中央部に窪んだ面が発達する。鈍い綾が殻頂から後腹端に認められる。殻頂は殻長の1/6前方寄りに位置する。前筋痕は小さく, 小円形で, 後筋痕は大きく, 四角形に近い形を呈する。〓歯は存在しない。殻表は細かな成長線を除き平滑, 殻の外層は淡い茶色を呈し, 内層は真珠質である。本新種はマユイガイ属の化石としては日本で二番目の報告であるが, 殻表に縦の細かい縮みを欠く化石マユイガイ属の最初の種である。
- 1984-07-15
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