アマオブネ科 14 種の染色体
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概要
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原始腹足目アマオブネ科14種の染色体を押しつぶし法及び焔乾法を用いて観察した。結果は次のとおりである。コシダカアマガイn=12 2n=23, イシダタミアマオブネn=12, キバアマガイn=12, マルアマオブネn=12, アマオブネn=12, ニシキアマオブネn=12, オオアマガイn=12 2n=23, エナメルアマガイn=12, リュウキュウアマガイn=12, アマガイ2n=23, イガカノコn=12, イシマキn=12, ヒロクチカノコn=14 2n=27, (以上雄), カバクチカノコn=12 2n=23(雄)・2n=24(雌)。半数組のなかに, イガカノコ・イシマキ・カバクチカノコを除いて, 異質染色性のものが1本観察された。核型分析の結果は, コシダカアマガイでは, 中部付着型(M型)8対, 次中部付着型(SM型)3対と不対のSM型染色体から構成される。オオアマガイとアマガイでは, M型9対, SM型2対と不対のSM型染色体である。ヒロクチカノコでは, M型6対, SM型3対, 端部付着型(T型)4対と不対のSM型染色体から構成される。カバクチカノコの場合, 雄ではM型7対, SM型2対, 次端部付着型(ST型)2対と不対のSM型染色体で, 雌ではM型7対, SM型3対とST型2対から成る。雌では, 雄で不対であったSM型の染色体が対をなしている。半数組の異質染色性の染色体や二倍性組の不対染色体(雌では対合対)は性染色体と考えられる。また, 性決定機構はNatarajan(1969)の示したXX(♀)-XO(♂)型と思われる。
- 日本貝類学会の論文
- 1982-04-15
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