アコヤガイ Pinctada fucata (GOULD) : 2 地方型の染色体の数と概形
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概要
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アコヤガイPinctada fucata (GOULD)の染色体の数および概形を, 三重県英虞湾産と鹿児島県甑島(ナマコ池)産の個体について, 放出された受精前後の卵の押しつぶし標本で観察した。卵はカルノア液(醋酸1 : エタノール3)で固定し醋酸オルセインで染色後おしつぶし標本とした。放卵された卵は第1次卵母細胞で受精により減数分裂が進行するが, 第1・第2分裂の中期像でn=14の染色体が観察された(Text-figs.2, 3)。卵割時の体細胞分裂のコルヒチン中期像では2n=28が多くの細胞で認められた(Text-fig.4)。両地方産のものについてこの卵割時中期の写真像から相同染色体組を作って比較したが核型を決定することはできなかった。しかし何れの地方産のものにも3∿4対の次端部動原体型と見られるものがあり, 他は中部または次中部動原体型であった(Text-fig.5)。したがって英虞湾産と甑島産の個体は, 染色体数が同じであることは確かであるが, 核型に差があるかどうかを比較するには至らなかった。
- 1976-02-28
著者
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