現代ロシアのマスメディアに見るクルィロフの寓話からの先例現象
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概要
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本稿は現代ロシアのマスメディアにおいて見出される「先例現象」の問題に関するものである。先例現象とは様々なメディアのタイトルにおいて、ロシア文学から成句や名前を引用して使用することをさす。先例現象には先例として用いられた名前、表現およびテクストを使用することなどが含まれる。これらはロシア人にはよく知られているものの、外国人には大部分知られてなく、馴染みのないものである。したがってそのような先例現象ついてなにがしかの知識がなければ、外国人には著者の意図を理解することは殆ど不可能である。ときにはこのようにして用いられたテクストのタイトル、たとえば引用資料を用いたタイトルを突き止めることは困難である。たとえロシア語研究者がこれを理解したとしても、次の問題はそのような先例現象をいかにしてロシア語の中で見つけるかということである。先例現象のロシア語辞書は1つだけある。また先例現象のいくつかは他の辞書にも掲載されてはいるが、もう一つの問題は、テクストにはしばしば変形された先例現象が用いられており、それらは他のどのような辞書においても見出すことができない。筆者は本稿において、クルィロフの寓話から、いくつかのマスメディアのテクストのタイトルにおいて用いられた先例現象の記述を試みた。前述の辞書においては20の寓話から25例を見つけることができた。しかし5つの寓話から引用された16例は発見できなかった。このことは、メディアのテクストのタイトル、サブタイトル、パラグラフの見出しにおいて用いられた語句が詳しく説明され、掲載されている特別の辞書を作成する必要があることを示唆している。理想的にはそのときになって初めてロシア語研究者はこれら先例現象語句に気づき、それらを理解し、彼らが研究しているどのようなメディアの形式であろうともそのテクスト全体をより容易に理解することができるようになるのである。
- 2006-03-31
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