糠床の温度効果(第2報) : テクスチャー特性による検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
糠床の温度効果を検討するため,温度の異なる3種の糠床(28, 15, 5℃)に漬けたキュウリの糠みそ漬のテクスチャー特性値を測定した。また,温度による嗜好性を検討するため「色」「香味」「酸味」「塩味」「歯ごたえ」「総合評価」について官能検査を行った。1)食べ頃と評価された漬込み時間帯のキュウリの糠みそ漬けは,それぞれの糠床温度によるテクスチャー特性値を持ち,硬さは0.9〜1.0 R. U.,凝集性は0.4〜0.5 R. U.,脆さは0.35〜0.40 R. U.弾力性は0.35〜0.45 R. U.,咀嚼性はは0.13〜0.20 R. U.付着性は0.1〜0.03 R. U.の範囲であった。2)硬さ,凝集性,弾力性,脆さ,咀嚼性は,糠床の温度に依存して5℃, 15℃, 28℃の順に漬込み時間が長くなるに従って低くなる傾向を示し,一方,付着性は糠床温度に関係なく時間経過に伴ない低下することが示された。すなわち,生のキュウリに比べ糠みそ漬けにした方が咀嚼に必要なエネルギーが1/4〜1/3に減るので食べやすくなることが認められた。3) たわみ率は漬かりの程度を示し,約56〜66%のたわみ率のものが食べ頃であることが示唆された。4)糠床温度の違いが「色」及び「総合評価」で有意に評価され,糠床温度28℃では色が悪く,15℃で漬けたものが総合的に最も好ましいということが認められた。終りに,本研究を行うにあたり,有益なご助言を賜った日本女子大学中浜信子教授ならびに改良型容器のど協力を得た日立製作所栃木工場の原,新井両氏に深謝申し上げます。本研究の一部は,日本調理科学総会会(昭和60年度)において発表した。
- 帝京短期大学の論文
- 1989-11-10
著者
関連論文
- 柴漬の有機酸組成について(第1報)
- せん切りキャベツのビタミンC及び食味に関する残留塩素の影響
- 糠床の温度効果(第1報)
- ゲル化剤の違いによるテーブルゼリーの食嗜好
- 糠床の温度効果(第2報) : テクスチャー特性による検討