歯列形態および歯の位置と咬合圧,咬合接触面積の関係について
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概要
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本研究の目的は,歯列および歯周組織の位置的,形態的な違いと咬合の状態の関係を解析することであり,健常者の歯列弓の中での,あるいは隣在歯との位置的な関係が,接触面積,咬合圧にどのように係わっているのかについて検索を行った。臨床的に歯周組織が健康であり,正常咬合を営む調和のとれた歯列弓を有する9名(年齢22〜25歳)を被検者とした。被検者の下顎第1小臼歯から第2大臼歯に対して規格模型上, X線写真上での計測ならびに咬合診査をプレスケール, Tスキャンを用いて行った。その結果を以下に示す。プレスケールにより測定した咬合圧および接触面積は,いずれも第2大臼歯で最大を示した。歯槽骨幅/歯冠幅を歯の支持を判定する資料として検索すると,咬合圧あるいは接触面積と明らかな関係を認めなかった。咬合平面から下顎切端咬頭頂連続曲線の最下点までの距離が2mm以上の低下幅を示すグループには,第1大臼歯が多く,その接触面積は他のグループの1/2程度であり,接触点(面)の位置が偏位している可能性が考えられた。Tスキャンにおいて早期接触は認めなかったが, Malposition Indexで第1大臼歯の位置偏位を観察すると,捻転グループで咬合圧は特に差異を認めず,接触面積は他の1/3程度であった。以上の結果より,咬合圧および接触面積の状態は,歯列の中での上下顎の接触部位の位置関係,あるいは歯そのものの位置に影響されることが推察された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1996-03-28
著者
-
松江 美代子
日本大学松戸歯学部保存学教室歯周学講座
-
増永 浩
日本大学松戸歯学部保存学教室歯周学講座
-
遠藤 弘康
日本大学松戸歯学部歯周治療学講座
-
遠藤 弘康
日本大学松戸歯学部保存学3講座
-
増永 浩
日本大学松戸歯学部歯周治療学講座
-
増永 浩
日本大学松戸歯学部保存学ii講座(歯周病学)
-
松江 一郎
日本大学松戸歯学部総合科学研究所
-
田原 洋
日本大学松戸歯学部保存歯周病学講座
-
田原 洋
日本大学松戸歯学部歯周病学講座
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