口腔細菌に対するマウスマクロファージのケミルミネッセンス反応と食作用について
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概要
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マクロファージの口腔細菌貪食時に放出される活性酸素およびリゾチームを測定し,歯周組織への為害作用を検討した。活性酸素はルミノール依存による化学発光(CL反応)により,またリゾチームはMicrococcus lysodeikticusの溶菌活性により測定した。CL反応では,T. denticola, F. nucleatum, S. epidermidisが高い値を示したが,多形核白血球に比べると,1/4-1/30と低いものであった。S. mutansとS. salivariusが,良く食べ込まれていた。歯周病原細菌は,食菌率は比較的良好なのに,マクロファージ100個内総菌数が少なかった。CL反応と食菌能には,歯周病原細菌を除くと良好な相関が見られた。無刺激時のリゾチーム量は全体量の40%にもあたり,各種細菌刺激による増減は23%以下であった。以上の結果より,マクロファージが産生する活性酸素およびリゾチームによる歯周組織への為害作用は,多形核白血球より小さいと考えられる。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1992-03-28
著者
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