<問題行動>をする生徒および学校生活に対する生徒の評価と学級の荒れとの関係 : <困難学級>と<通常学級>の比較から
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概要
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本研究は,学級の荒れと学級の雰囲気の関係を検討することを目的として行われた。公立中学校8校の37学級の中学生1〜3年生(男子544名,女子587名,計1,131名)を対象に,(1)向学校感情,(2)問題行動の経験,(3)学級の荒れ,(4)不良少年のイメージをたずねる質問紙を実施した。(2)の問題行動の経験尺度から,生徒を問題生徒,一般生徒に分け,(3)の学級の荒れ尺度から,学級を通常学級と困難学級に分けた。そして,一般学級と困難学級において,生徒がもつ問題行動や学校生活に対する意識=学級の雰囲気にどのような違いがあるのかを検討した。その結果,全体として,通常学級に比べ困難学級の生徒のほうが,不良少年がやっていることをより肯定的に評価し,彼らに対する否定感情および関係を回避する傾向が低く,学校生活にもより否定的な感情を抱いていた。この結果から,学級が荒れることには,問題生徒だけでなく,一般生徒の不良少年や学校生活に対する意識の違いが関係していると考えられた。したがって,問題行動の防止・解決には,問題行動をする生徒だけでなく,問題行動をしない一般生徒に対しても関わる必要性があることが示唆された。
- 日本教育心理学会の論文
- 2006-03-30
著者
-
大久保 智生
香川大学教育学部
-
大久保 智生
早稲田大学人間総合研究センター
-
大久保 智生
香川大学
-
加藤 弘通
静岡大学大学院教育学研究科
-
加藤 弘通
常葉学園短期大学保育科
-
加藤 弘通
常葉学園短期大学
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