日本脳炎ウィルス・デングウィルスのレセプターの同定
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概要
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デングウィルス(DEN)はフラビウィルス科に属する1本鎖RNA(+)ウィルスであり,正二十面体の規則正しい配列を有する特徴的な膜を持ち,その膜表面にそって平坦に並んだエンベーロープ糖タンパク(EGP)により囲まれた滑らかな構造をとる。ウィルス膜上に存在する唯一のタンパク質であるEGPが,感染初期において,宿主細胞表面上の受容体分子と結合することにより,宿主細胞表面への吸着,細胞内への進入が進行する。現在までにDENの受容体候補分子として,哺乳動物由来のヘパラン硫酸グルコサミノグリカン(HS),昆虫細胞由来の40kDaおよび45kDaの分子量を有する(糖)タンパク質がこれまでに報告されている。これらの報告などから宿主細胞表面に存在する糖鎖分子がDENに対する結合に深く関与していることが推測されているが,宿主細胞に実際に発現している内在性糖鎖性受容体分子の実体は解明されていない。DEN受容体分子として関与が認められている糖鎖分子が抗DEN剤として利用できると考えられる。これまでに我々はDENと結合性を示す糖鎖これまでにDENと結合性を示す糖鎖としてラクト系糖鎖構造を含む糖脂質を同定した。本研究では,我々の見出したDEN結合性糖鎖分子の糖鎖特異的結合性の検討,ならびに糖鎖部分を担持したカルボシラシ骨格を有する化合物(デンドリマー)を合成し,これらを用いてDEN感染阻害作用を検討した。また,型の異なるデンドリマーと結合性糖脂質の糖鎖部分構造を変化させた化合物のDENに対する感染阻害作用を比較,検討した。
- 長崎大学の論文
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