脳磁図を用いた局在関連性てんかんを合併した結節性硬化症患者におけるてんかん焦点の同定
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概要
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局在関連性てんかん(localization-related epilepsy:LRE)を合併した14名の結節性硬化症(Tuberous Sclerosis:TS)患者における脳磁図(Magnetoencephalography:MEG)所見を解析した.計測には204チャンネルの全頭型脳磁計を用い,てんかん棘波成分の等価電流双極子(equivalent current dipoles:ECDs)とmacmetic resonance imaging(MRI)で確認された皮質結節との空間的位置関係について検討した.14例中11例で1ケ所もしくは2ケ所に限局して皮質結節の周囲にECDsが集積した.また,その結果をsingle-photon emission computed tomography(SPECT)所見とも比較した.14例中11例で1ケ所もしくは2ケ所に限局して皮質結節の周囲にECDsが集積した.TS患者において,発作間歇期SPECTは多発性の結節が低灌流域として認識されてしまい,てんかん焦点による低灌流域との区別がつかないため,てんかん焦点の同定には適さないと考えられた.一方,2例で発作時SPECTを施行できたが,2例とも高灌流域とMEG所見は一致していた.以上の結果から,MEGによりてんかん原性焦点が正確に同定でき,内科的治療に抵抗性のLREを合併したTS患者に対する外科的治療の指標として有用であると考えられた.また,発作間歇期MEGが発作時SPECTと同様にTSにおけるてんかん原性同定に有用であることが示唆された.
- 新潟大学の論文
- 2005-08-10