自己の行動原因の認知傾向 : 強制と自発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,自己の行動の原因に関する認知を扱かった。本稿では自己の行動の原因の認知傾向として,次の二つの型を設定した。<自己の行動の原因は自己の欲求にあると認知する傾向の強い者(SI型)><自己の行動の原因は外的強制にあると認知する傾向の強い者(Co型)>この概念に基づき,SI型とCo型を弁別する尺度を作成した。次に,SI型とCo型とで,人生観・社会観等にいかなる差異がみられるかを検討した。最後に,6つの認知的不協和事態で,解決様式に差異が認められるか否かを検討した。得られた主な結果は,次の通りである。(1)SIの傾向の強い者とCoの傾向の強い者とがあり,個人をSI型とCo型に分類することが可能である。(2)SI型の者はCo型の者に比し,自信があり,目的意識を持ち,充実感を得て日々の生活を送っている。また,対人関係ではリーダーシップをとる傾向が強い。さらに男子では,SI型の者ほど他者との関わりを望み,人との交わりを自由に楽しんでおり,多趣味の傾向がある。女子では,SI型の者ほど趣味を娯楽的なものと認識している。(3)SI型とCo型とで,認知的不協和事態での行動選択に有意差は認められなかった。しかし,行動選択の理由づけを分析したところ,有意な差異がみられた。
- 千葉大学の論文
- 1982-12-20
著者
関連論文
- 「心配性」の実証的一考察
- 測定・評価(601〜606)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 604 衝動型・熟慮型テスト作成の試み(2) : 個別テスト・集団テストの比較(II)
- 社会5(528〜535)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 測定・評価(701〜708)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 発達3(219〜229)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 原因帰属(079〜084)(特定テーマ)
- 人格2(409〜417)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 社会1(501〜508)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 大学における教師 : 学生の人間関係(I)
- 観察者の帰属作用に及ぼす観察訓練の効果
- 中学生の対人関係に関する追跡的研究 : センチメント関係と学級集団構造
- 社会1(501〜506)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概念)
- III 授業のサポーター : 新しい学級の力を求めて
- 発達16(316〜323)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 539 教師の親和性と統制の方法に関する研究(社会5,社会)
- 518 学級集団の構造的特質と成員の欲求・満足度との関係 : 構造次元としての受容・勢力・親和性・統制・活動性の検討(社会3 学級・対人行動・帰属,研究発表)
- 社会3(519〜527)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 教授・学習5(634〜639)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 270 自我同一性に関する研究(I)-(3) : 自我同一性様態の類型とその特徴(発達10,研究発表)
- 269 自我同一性に関する研究(I)-(2) : 自我同一性様態に関する樹木ダイアグラム(発達10,研究発表)
- 268 自我同一性に関する研究(I)-(1) : 研究の発展と本研究の位置づけ(発達10,研究発表)
- 指定討論者の立場から(III 授業のサポーター:新しい学級の力を求めて)
- 教科についての男子と女子の態度の違い : 性的ステレオタイプと教師の影響
- 教師の危機とその克服
- 学級集団過程の規定要因と学級集団の発達段階に関する試論
- 男性教師と女性教師の男児・女児に対する働きかけの比率の違い
- 教師の行動に関する子供の予測における性差
- 531 男性教師と女性教師の男児・女児への働きかけの違い(教師・生徒の相互作用,社会4,社会)
- 報告1心理学研究に対して実践(?)より得たもの : 歩みの遅い一会員の歩み(学力調査のプロジェクトへの参加と心理学的研究)
- 学級集団に関する教育心理学的研究の到達点と課題 : 本邦における実証的研究を中心として
- 自己の行動原因の認知傾向 : 強制と自発
- 学級集団の独自性と学級集団研究の問題点 : 実験小集団的研究とソシオメトリィによるアプローチの検討
- 283 物語聴取における共感の研究 : SCTによる共感の測定(発達11,発達)
- 「学級集団づくり」の心理学的研究 : 「全生研」の実践の実証的検討
- 602 大学における教育心理学の授業効果(I) : SD尺度によるイメージ変化の検討(教授・学習1 教員養成・教師,研究発表)
- 223 青年期の「疎外感」に関する研究(3)(発達3,発達)
- 513 「行動の動機の認識様式」に関する研究 : 認知的不協和解消方法との関係について(社会2,研究発表)
- 706 衝動型・熟慮型テスト作成の試み(1) : 個別テスト・集団テストの比較(700 測定・評価)
- 508 大学における教師-学生の人間関係(II) : その2(社会1,研究発表)
- 507 大学における教師-学生の人間関係(II) : その1(社会1,研究発表)
- 達成行動の帰属作用に及ぼす観察者の視点の効果
- EFFECTS OF SELF-ESTEEM ON PERSON PERCEPTION (IV)