遊戯療法のプロセスについて
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概要
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ひとりの登校拒否の少年の事例を基に,自我の成長と意識と無意識の関係という2つの観点から,遊戯療法のプロセスが段階的に分析された。治療の第一段階では,自我は無意識との通路を塞がれ無力になっている。無意識は砂嵐や急流のように,漠然とした大きな圧倒的なものとして知覚され,無力な自我はそれに抗す術をもない。第2段階では,或る程度の力を獲得した自我が,無意識の領域に踏み込んでいく。無意識は水(洪水)として知覚される。自我はそれとのギリギリの拮抗関係の中で成長していく。第3段階では,意識(自我)と無意識の関係に大きな変容が起り,両者の関係は共に生かし生かされる関係になる。無意識は地底世界の植物,動物,人間の祖先として表象され,最後には,それらを意識的な自我の中に統合することが大きな課題になる,ことが明らかにされた。
- 1977-12-20
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