伊豆諸島に固有とされる維管束植物
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概要
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多くの研究者により,伊豆諸島から多くの固有種,固有亜種・変種・品種が報告されている.しかしながら,これまでに固有と報告されたそれらの分類群を網羅し,分類学的妥当性の検討は,フォッサ・マグナ要素の一部として行われた高橋(1971)によってなされただけである.しかし,高橋の研究では学名の適合性,タイプの検討,変異幅を示す標本の引用がなされていない.本研究では,これまで伊豆諸島に固有として報告された維管束植物すべてについて,原記載,タイプ,類似種との異同,変異性,分布を,主に東京大学,国立科学博物館,東京農業大学,神奈川県立生命の星地球博物館に収蔵される標本にもとづいて分析した.その結果,伊豆諸島に固有である維管束植物は,18種,21変種,1品種,2雑種あることを明らかにした.また,2種,1変種は伊豆諸島と伊豆半島に固有で,1種が伊豆諸島と小笠原諸島にのみ分布することが明らかとなった.また,従来伊豆諸島に固有として報告された種・変種・品種にはその後の研究で本諸島以外にも分布することが明らかにされた種も多い.今回それらの分類群についても検討を行なった.各分類群についての分析結果は,異名一覧によって示したが,現時点で標本等の不足から十分な議論ができなかった点や,注目すべき事項については,今後の検討の参考のため,各分類群ごとにまとめてこれを記述した.また,新名Clerodendrum trichotomum Thunb. var. izuinsulare (K. Inoue & al.) H. Ohba & S. Akiyamaを発表した.
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